この記事を読めば、あさりの缶詰が危険といわれている理由や中国産あさりの危険性を知ることができます。
・あさりの缶詰の安全性
・中国産あさりの健康リスク
・おすすめの国産あさり
あさりが高級品化している

最近、「あさりが高くなった」と感じませんか?
農林水産省によると、1990年代には年間20万トン以上あったあさりの漁獲量が、2020年代には1万トンを切る年もあるほど激減しています。
環境汚染や天候の影響、また中国産を熊本県産と偽って販売された日本の産地偽装問題の影響で輸入あさりの流通も厳しくなっているため、手に入りにくい食材になってきています。
結論「あさりの缶詰自体に危険性はない」
あさりの缶詰は食品衛生法に基づく規制のもと、高温殺菌で微生物の繁殖を防ぎ、長期保存ができる製造過程を経ているため、食中毒などの危険性はありません。
また密閉性が高い缶詰は、細菌混入リスクも低いため安心して食べることができます。
あさりの缶詰が危険と言われる理由は?
あさりの缶詰が危険といわれる理由をみていきましょう。
BPAコーティングの健康への影響

あさりの缶詰だけでなくこれは缶詰食材全般に言えることですが、缶詰の内部をコーティングするために使用されるBPA(ビスフェノールA)は環境ホルモンとして知られ、体内に取り込まれるとホルモンバランスを乱す可能性が指摘されています。
時間が経つほど、コーティングからの食品へ微量に溶け出すリスクが上がる傾向があるため賞味期限の近いものはなるべく避けましょう。
またトマト缶などに多い「BPAフリー」、「エポキシ不使用」などと表示された缶詰を選ぶことで、BPAのリスクを避けることができますが、スーパーにあるあさり缶でBPAフリーに対応している缶詰はまだ一般的ではなさそうです。
中国産あさりの危険性

中国産のあさりの缶詰には特に注意が必要です。国産と比較して中国産のあさりから10倍もの有害物質が高濃度で検出されたという報告があります。
中国産あさりを避けたい理由をみていきましょう。
中国産あさりは安全ではない?避けるべき理由3つ
農薬残留が基準値超えの危険性

厚生労働省の報告によると、中国産あさりは除草剤のプロメトリンという農薬残留の問題が指摘されており、基準値を超えて検出されることがあります。
イネ科植物の除草に使用される農薬がなぜあさりに使用されているのかというと、中国ではプロメトリンが池の藻の除去等に使われることがあるためです。
残留農薬の違反が多い中国からあさりを輸入する際は、プロメトリンなどの残留がないか水際で検査することが義務付けられています。
あさりの中国産と国産の比較で有害物質が「10倍の差」

中国産あさりは、有機フッ素化合物(PFAS)汚染が深刻な問題となっています。
最新の調査結果によると、中国産あさりから日本産の約10倍ものPFOA(パーフルオロオクタン酸)が高濃度で検出されました。
PFASは調理器具の表面加工や防水加工などに使用される化学物質で、近年はその残留性や生体蓄積性が懸念されています。中国産アサリからは最大6,169ng/kgものPFASが検出されており、これは特に子どもの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに問題なのは、日本では現在、アサリなど魚介類のPFASの残留基準が設定されていないことです。つまり、中国産あさりの安全性を判断する明確な基準がないのが現状です。
特に子どもや妊婦している方はできるだけ国産のあさりを選ぶことをおすすめします。
あさりの偽装表示の見分け方

2023年、中国産や韓国産のあさりが熊本産として販売された産地偽装問題で、国産を求める消費者の信頼がゆらぎました。
直近のあさり産地偽装事件
2020年~2021年
熊本県の水産会社が韓国産アサリ約100トンを熊本県産と偽装し販売、約4100万円を売り上げた疑いで役員が逮捕
2022年2月
農水省の調査で、熊本県産と表示されたアサリの97%が外国産である可能性が高いと判明、熊本県は2ヶ月間の出荷停止を要請
2022年10月
三重県の3業者が中国・韓国・他県産アサリ計約126トンを「三重県産」などと偽装して販売、県から改善指示を受ける
産地偽装はここ数年以内に起こっているため、今後もまた起きる可能性がゼロとは言い切れないからこそ、あさりの産地偽装に巻き込まれないよう市販品をみたときに違和感を感じられるかが重要です。
- 国産価格なのにあまりに安すぎる
- 漁獲量が少ない時期に大量に出回っている(地域や気候にもよるが一般的には3月~5月の漁獲量が多い)
全ロットに命令検査がされている中国産あさりは安全ではないの?
現在、中国産のあさりを輸入する際には必ず残留物の検査が義務付けられています。(命令検査:食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令の実施について)
あさりの輸入品すべて検査されているなら、安全なのでは?
命令検査が義務付けられているからといって、店頭に並ぶ中国産あさりの汚染の可能が低いとは言い切れません。
なぜなら、
- 検査項目が限定されているから
- 中国産あさりの汚染リスクがそもそも高い
- 中国産あさりに対する命令検査では主にプロメトリン(除草剤)とクロラムフェニコール(抗生物質)が対象となっていますが、他の項目は検査対象外のため汚染物質が見逃されれる可能性があります。中国産あさりから日本産の約10倍のPFOA(パーフルオロオクタン酸)が検出されていますが、有機フッ素化合物(PFAS)は現在の命令検査項目に含まれていません。
- 中国産アサリの多くは工業地帯に近い渤海や黄海沿岸で養殖されている背景があり、工場排水による汚染リスクが無視できません。
よって、厚生労働省の検査命令による項目だけでは中国産あさりの安全性が保証されるとは言いにくいのが現状です。
安心なあさりを選ぶなら「国産」がマスト

中国産あさりは汚染リスクがあるため、国産のあさりを選ぶことをおすすめします。
缶詰は原材料のあさりの産地を確認しましょう。
国産あさりは高価だという方は、外国産であれば韓国産を検討しても良いかもしれません。なぜなら中国産と違い、韓国産あさりに対する検査命令が義務付けられていないため汚染リスクは低い可能性があります。
また、中国産あさりから有機フッ素化合物(PFAS)による汚染が報告されていますが韓国産から汚染事例がでたことがないため、現時点では中国産を選ぶなら韓国産のほうが信頼性が高いといえます。
国産あさりの販売場所

残念ながらあさりの価格が高騰している現時点では、国産のあさりを使用した水煮缶詰は一般的には流通しておらず、スーパーで見かける大手メーカーのあさり水煮缶もあさりの原産国は中国です。
国産あさりの缶詰は地元の漁協や直売所を探すしかありませんが、国産の活あさりやむき身であれば通販で手に入れることができますよ。
通販で買える「活あさり」
肉厚で味の濃さを楽しみたいなら活あさりが一番ですよね。
食卓を華やかにしたい時、贈り物にも喜ばれる活あさりは安全性の高い国産を選びましょう。
通販で買える「あさりのむき身」
スープや炊き込みご飯などにすぐに使えるあさりのむき身はあると便利ですよね。
むき身は中国産だと安いのでお得感がありますが、中国産の冷凍あさりには解凍時のパサつきを抑えたり、プリプリとした食感を演出するためにリン酸塩(Na)が使用されていることが多いので、加工肉などの使用されるリン酸塩を避けている方は国産のむき身を選ぶのをおすすめします。
通販で買える「レトルト」
ふるさと納税でも「国産あさり」を
中国産と比較して北海道や熊本県産などの国産のあさりの価格は2~3倍しますので、安いものではないですよね。ふるさと納税を活用して国産のあさりを味見してみるのもおすすめです。
ふるさと納税の中でもこちらの北海道別海町のあさりのレビュー数は141件と高評価で、毎年リピートしていると人も見かける国産のあさりです。
活あさりか冷凍あさりかを選択することができ、あさり好きには嬉しい5kg前後の大容量も選ぶことができます。
北海道厚岸町は日本有数の牡蛎の産地とも知られており、新鮮な海の幸が目白押しです。
厚岸産のあさりのふるさと納税は少額の寄付も受け付けているので、限度額の中であと少し寄付したいという時にもぴったりです。
まとめ<あさりの缶詰の危険性と中国産のリスク>

結論から言うと、食品衛生法のもと製造されているあさりの缶詰自体に危険性はありませんが、あさりが中国産であることは汚染による健康リスクがあるため、子どもに食べさせる場合は国産を選ぶことをおすすめします。
市販されているあさりの缶詰の原材料はほぼ中国産のため、国産あさりを食べたい方は通販で買える活あさりやむき身を選びましょう。
あさりの国産漁獲量が減少する中で、残念ながらあさりの産地偽装は後を絶ちません。
中国産あさりは輸入時に必ず残留物の検査を受けているため一見安全なように見えますが、検査項目が限られているため、
基準値より高く検出されやすい有機フッ素化合物(PFAS)などの基準値が日本をはるかに上回っていても確認する術がないため、安全性に疑問が残ります。
あさりの缶詰の安全性が気になる方は、スーパーで手に入る中国産の缶詰をストックするのではなく、大容量でお得に購入した国産あさりを冷凍し、少しずつ使うのがおすすめです。
何より国産あさりを選ぶことは安全性への信頼はもちろん、国産を選ぶことで漁業者への支援にも繋がります。
大切な人の健康と味覚を守るため、あなたの食卓に合うあさりが見つかれば幸いです。