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【子供に避けたい添加物】保存料が危険視されている理由と入っている食品

安心な食べものナビ【保存料編】子供に食べさせたくない

こんな方向けの記事です
・日持ち食材は便利だけど保存料が身体に悪いのか心配
・コンビニのサンドイッチに入っているpH調整剤が気になる
・保存料が日本や世界でどう評価されているのか知りたい

カップ麺やコンビニ弁当などは添加物が多いとされる食品で食べないという方も多いですが、みそやしょうゆなどの調味料、加工肉、水産練り物など普段の食事でよく食べる食材に保存料が入っているのは盲点、という方も多いのではないでしょうか。

保存料があることで食中毒の心配なく安全に食べることができますが、長期的な摂取による健康への影響を懸念する研究も報告されています。

この記事では保存料目的の添加物の摂取を減らして自己防衛をしたい方向けに、保存料が危険視されている理由について紹介しています。

この記事でわかること

・保存料の種類と不安視される理由

・国の声明や学術論文を元にした保存料の危険度

早見表を先に見たい方はこちらからご覧いただけます。

保存料とは

瓶詰の食料
保存料とは、食品の腐敗や変質の原因になる微生物の増殖を抑えて、保存性を高めるために使用されます。

保存料が使用されるメリット
・食中毒のリスクが減り、食品を安全に食べることができる
・長時間の輸送にも耐えられ、店頭に長く置くことができる
保存料が使用されるデメリット
一日摂取許容量(ADI)を超えなければ健康への影響はないとされるが、各国の学術論文によると摂取による健康への影響やアレルギー反応など懸念されている

保存料だけじゃない!ph調整剤などにも注意!

コンビニのレタスサンドイッチ
消費者庁が令和2年度に行った「食品表示に関する消費者意向調査」によると、購入時に避けている食品添加物について、「着色料」が46.6%と最も多く、次いで「人工又は合成の添加物」が38.7%、「保存料」が36.9%という結果となりました。

保存料が入っているかどうか、食品を選ぶ際に気にする人が一定数いるということですね

健康志向の高まり、保存料が身体に悪いという消費者の認識もあり、メーカーは保存料の使用をさけ、ph調整剤、酸化防止剤などの添加物の使用により保存性を高めることも増えているようです。

pH調整剤とは
食品の酸性度とアルカリ性度のバランスを保つことで、変色や変質、腐敗などを抑え、食品の品質をより良くするために使われます。また、一緒に添加した酸化防止剤の効果を向上させ、食品の保存性を高める効果もあります。
使用されている食品例:おにぎり、惣菜・菓子パン、サンドイッチ、加工食品全般

【早見表】保存料目的で使用される添加物

  保存料目的の添加物 摂取許容量(ADI) 懸念 参照
1 安息香酸Na(ナトリウム) 0.60g/kg 安息香酸NaとビタミンCは一定の条件下で、発がん性物質「ベンゼン」が発生する可能性があると報告、世界各国で清涼飲料水の調査実施 2006年7月:厚生労働省
ソルビン酸 25mg/kg ソルビン酸の摂取で善玉菌(ビフィズス菌やバクテロイデス菌)が影響を受け死滅していくと発表 2013年8月:チェコ科学アカデミー微生物研究所
パラオキシ安息香酸エステル(パラベン) 10mg/kg(一部例外あり) プロピルパラベンが卵巣予備能(卵巣に残っている卵子数)の低下、卵巣の老化につながる可能性があると発表 2013年8月:ハーバード大学

将来の健康への可能性が否定できない添加物を避けたい方は、食べる頻度を減らしたり、上記の添加物不使用の食材を選ぶのをおすすめします。

上記でまとめた添加物の危険性について詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。

【避けたい保存料】安息香酸Na(ナトリウム)

グラスに入れた炭酸飲料
使用食品例:炭酸飲料、果実飲料、シロップ類、醤油、マーガリンなど

安息香酸ナトリウムは24時間以内に代謝され尿中に排泄されることから、適切な量を摂取した場合安全性が高い添加物ですが、

安息香酸ナトリウムと酸味料や酸化防止剤として添加されるアスコルビン酸(ビタミンC)は一定の条件下で反応し、発がん性物質「ベンゼン」が発生する可能性があると世界各国で報告されています。(厚生労働省 / 清涼飲料水中のベンゼンについて

IARC(国際がん研究機関)は、ベンゼンを発がん性があると評価し、
最も危険レベルの高い「ヒトに対して発がん性があるグループ1)」に分類しています。厚生労働省 / IARCでGroup 1〜2Bとされているもの

ベンゼンは特に白血病との関連が指摘されており、化学工場や靴工場、製油所でベンゼンに暴露された労働者(米国、中国、トルコなど)に、白血病リスクの明らかな増加が報告されています。(食品安全委員会/ 清涼飲料水評価書ベンゼン

英国の食品基準庁(FSA)、米国食品医薬品局(FDA)、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)、フィンランド食品庁(FINNISH FOOD AUTHORITY)など世界各国で調査が行われた結果、安息香酸ナトリウムとアスコルビン酸(ビタミンC)を含む飲料において、ベンゼンがppbレベルで生成される可能性があると報告されています。


都市部での呼吸や水道水からの摂取と比較すると、ソフトドリンクからのベンゼンはわずかであり、許容し得る濃度と結論づけられています
が、定期的に低レベルのベンゼンを摂取することと将来のがんリスクとの関係を評価する研究も不足しています。

少量であっても、強い毒性のある物質が発生している飲料を許容できるかどうかは、知らなければ選択すらできません。

さらに、安息香酸ナトリウムはADHD(注意欠如・多動症)やアレルギーと関連していることが指摘される論文も発表されています。

大学生475名に対して行われたパイロット調査では、安息香酸ナトリウムを含む飲料の多量摂取が大学生のADHD関連症状の一因となる可能性を示唆する結果となりました。(ベネディクト大学栄養学部Bonnie L. Beezholdら)

また、ケルセチンやカテキンによる赤血球の保護効果を研究した結果によると、安息香酸ナトリウム(Sodium Benzoate)は赤血球に酸化ストレスを引き起こす可能性が発表されました。(Bozok University Gamze Yetukら)

高濃度の安息香酸ナトリウムは赤血球の抗酸化酵素を変化させ、酸化ストレスで赤血球の老化が早まるリスクがあると報告されています。

安息香酸ナトリウムのリスクまとめ

・アスコルビン酸(ビタミンC)入りの飲料で発がん性物質の「ベンゼン」が発生※飲料で発生するベンゼンは水道水と比較し低濃度のため現在許容されている
・酸化ストレスによる赤血球の老化・ダメージ
ADHD症状やアレルギーとの関連する疑い

【避けたい保存料】ソルビン酸

鍋に入ったおでん
使用食品例:練り物製品、加工肉、みそ、つくだ煮、チーズ、マーガリン、煮豆、魚介乾製品など

ソルビン酸は体内に入ると代謝され、尿や呼気などで排出されるため、適切な量を摂取すれば安全性が高い添加物ですが、危険視される理由は「腸内細菌が死んでしまう」危険性があるからです。

チェコ科学アカデミー微生物研究所によると、ソルビン酸を摂取すると、ソルビン酸濃度が高まるにしたがって善玉菌(ビフィズス菌やバクテロイデス菌)が影響を受け、死滅していくことが明らかになりました。(2019年 食品添加物がヒトの腸内細菌に与える影響

腸には「腸管免疫」と呼ばれる細胞が集まっていて、免疫細胞の約70%を占めると言われています。つまり腸内環境が乱れることで、結果として免疫力低下につながってしまうのです。

さらに、アレルギーに敏感な方はソルビン酸や安息香酸類について知っておくべき事例があります。

慢性蕁麻疹の90症例を対象とした臨床研究によると、4%がソルビン酸もしくは他の食品添加物である安息香酸、タートラジン、サンセットイエロー(着色料)に反応を示したと報告されました。(1990年 ソルビン酸およびソルビン酸塩の毒性について

厚生労働省で行ったソルビン酸の安全評価の通知内にも、「ヒトにおける知見」として取り上げられている研究結果。アレルギーの発現頻度が低いため明確にするにはさらなる研究が必要とされていますが、注意が必要な人にとっては情報発信なのではないでしょうか。(厚生労働省/ ソルビン酸カルシウムに係る食品健康影響評価

ソルビン酸のリスクまとめ

善玉菌が死滅することで腸内環境の変化し免疫力が低下する可能性
・アレルギーに敏感な方は注意

【避けたい保存料】パラオキシ安息香酸エステル類(パラベン)

醤油ボトル
使用食品例:しょうゆ、果実ソース、清涼飲料水、シロップ、果実及び果菜の表皮のみ使用可能

パラベンは体内に取り込まれた後代謝されて体外に排出されるため、パラベン自体が発がん性物質ではありませんが、体内でエストロゲンホルモンの働きを模倣して生殖機能に影響を与えたり、がん細胞の成長を促す作用が懸念されています。

保存料として日本で登録されているパラオキシ安息香酸エステル(通称パラベン)は以下で、微生物などによる汚染を防ぐために、食品以外では化粧品や医薬品にも使用されています。

保存料として認可されているパラベン
プロピルパラベン(パラオキシ安息香酸プロピル)
ブチルパラベン(パラオキシ安息香酸ブチル)
・エチルパラベン(パラオキシ安息香酸エチル)
・メチルパラベン(パラオキシ安息香酸メチル)
・イソブチルパラベン(パラオキシ安息香酸イソブチル)
・イソプロピルパラベン(パラオキシ安息香酸イソプロピル)
食品安全委員会 / 食品添加物パラオキシ安息香酸エステル類について

ハーバード大学環境衛生学科の研究によると、プロピルパラベンが卵巣予備能(卵巣に残っている卵子数)の低下、卵巣の老化につながる可能性があると発表されました。

調査に参加した不妊治療センターの女性192人の尿中パラベン濃度を調べたところ、女性のほぼ100%が尿中からメチルパラベンおよびプロピルパラベン、75%以上の女性がブチルパラベンが検出されています。

また、これまで毒性を評価するには低用量であるとされたパラベン濃度でも危険性を発した研究もあります。カリフォルニア乳がん研究プログラムによると、ブチルパラベンには乳がんの細胞の増殖を促進させる効果がある可能性を明らかにしています。

パラベンを皮膚、口などから過剰摂取しているわけでなく、一般の女性に実施した調査も。つまり日常生活の延長線上に生殖困難リスクなどの可能性が複数の調査で指摘されていることを考えると、自分や家族の将来の健康のために避けたいと思う人がいてもおかしくありません。
パラベンのリスクまとめ

生殖機能に影響を与えるおそれ
・がん細胞の増殖を促す可能性が指摘

保存料目的の添加物が危険とされる理由

お酒を飲む中年男性
安息香酸類やソルビン酸など単体の添加物自体が不安視されている理由を見てきましたが、保存料目的で使用される添加物を懸念する理由としてよく挙げられるものをみていきましょう。

一括表示名で何が入っているのか知るのが不可能

ハムたまごサンドイッチの表示ラベル
保存性を高めるために使用されるpH調整剤は、複数の組み合わせで使用されることが多く、使用目的が同じであれば一括名で表示しても良いとされています。

【一括名で表示できる食品添加物】
pH調整剤、香料、酸味料、乳化剤、膨張剤、イーストフード、ガムベース、かんすい、酵素、光沢剤、調味料、豆腐用凝固剤、苦味料、軟化剤など

成分表示ラベルに記載される原材料のうちスラッシュ(/)の後に、「pH調整剤」の記載があれば入っていることが確認できますが、何が使用されたか物質名までは確認することができません。

保存料よりもpH調整剤のほうが使用量が多くなる傾向

食肉加工所の様子
保存料とpH調整剤の効果の違いがあるため、結果としてpH調整剤は保存料より使用量が多くなる傾向があります。(pH調整剤に使用上限は設けられていません。)

保存料とpH調整剤の効果の違い
保存料… 微生物の増殖を直接抑制する
pH調整剤…食品の酸性度またはアルカリ性度を適切なレベルに維持することによって、微生物の活動を抑制、食品の劣化を遅らせる

pH調整剤の使用量が多くなると食品の風味が損なわれるため、適切に調整する必要がありますが、裏を返すと上限がない分、味が変わらないレベルまで入れることができてしまうとも言えますよね。。

子どものほうが食べすぎてしまう傾向にある

食生活
体重1kgあたりの食事摂取量は大人よりも子どものほうが多いため、食品添加物も摂りすぎてしまう傾向にあるため、子どもが毎食ごとに保存料が入っているものを食べるのは控えるべきでしょう。

お弁当で保存料入りのおかずを使ったら、夜ご飯のメインは手作りするなど、添加物を摂取する量を意識すると、便利な食材を使う頻度が変わるかもしれません。

保存料を摂取しすぎないようにするためのポイント

ポイント①食品表示ラベルをみる

添加物を確認する母
保存料を避けるには、食品表示ラベルを確認するのが確実な方法です

pH調整剤などは一括名で表示されるので見ればわかりやすいですが、保存料は添加物名で表示されるので、「安息香酸Na、ソルビン酸」などの添加物名を確認しましょう。

どれくらい保存料入りの食品を食べているのかを確認することができるので、まずは成分表示を確認するだけも有益なこと。

毎回の買い物で保存料入り商品を購入していると気づいた場合は、買う頻度や選ぶ食品を変えてみるのも手です。

ポイント②自炊する

朝食を作る人
保存料をはじめとする食品添加物を避けるためには、自炊が一番の近道なのは違いありませんが、平日は忙しいという方は、まずは負担なく料理を継続する仕組みづくりが大切です。

普段は加工品を買っているものを手作りすると子どもも喜びます。例えば平日は市販品、週末はさつま揚げ自体を手作りしてみるなど、子どもの好きな食品自体が出来立てで食べれるといつもと違った食卓になり、食育にもつながりますよ!

ポイント➂保存料の多い食材は事前に買っておく

大盛のウインナー
スーパーやコンビニには保存料が使用された食品が多くなりがちなので、わざわざ商品を手に取って確認する手間を考えると、賞味期限は短くなりがちなので長期間ストックはできませんが、食べるときに合わせて保存料フリーのものを事前に購入しておくのも手です。

今日は「無添加ウインナーの日」のように、家族皆で1日で食べきってしまうイベントのような楽しさもありますよ。

まとめ<子どもに避けたい保存料>

コンビニの棚
厚生労働省によって安全が検証されたうえで使用されている保存料ですが、長期摂取による健康への影響が懸念される研究もあります。

長期摂取に不安なポイント
◆安息香酸Na
ある条件下でビタミンCと反応すると、発がん性物質のベンゼンが発生する恐れ
◆ソルビン酸
善玉菌を死滅させ、腸内細菌の乱れにつながる可能性
◆パラベン
ホルモン作用により、生殖機能への影響が懸念

いますぐではない5年後、10年後の健康を考えると、自分や家族の食事内容にこだわる人にとっては、不安視される添加物は食べる頻度を下げる、または避ける行動が必要といえます。

健康的な食生活は継続が必須なので、保存料を気にしすぎて買い物に支障がでるのは本末転倒。買い物や食事の支度に負担がないよう始めてみましょう。

まずは保存料をはじめとする添加物を食べる量を減らしてみてはいかがでしょうか。この日は加工品がないと乗り切れない!という日に無添加のおかずがあると便利です。

忙しい朝のお弁当や夕飯などにサッと使える無添加の冷凍食品をストックしておくのもおすすめですよ。

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