出汁をとらなくても味噌汁が手軽に作れる出汁入りみそは便利ですが、身体に悪いと言われる理由が気になるあなた。
この記事を読めば、出汁入りみそがなぜ要注意なのか、買うべき味噌の条件が分かりますよ。
・出汁入りみそのデメリット
・本物の味噌の選び方
・おすすめの本物の味噌
結論:出汁入り味噌はなぜ要注意なのか
子供に食べさせるうえで、出汁入り味噌に気を付けたい理由はズバリ、
1.出汁入り味噌には添加物が含まれているから
2.酵母菌の活動が失われているので発酵食品から摂りたい栄養が十分でないから
味噌の原材料を知って、自分で安全な味噌を選べるようにしていきましょう。
そもそも味噌は何から作られる?
昔ながらの長期熟成味噌は「大豆、米(麦)、塩」というシンプルな材料で造られています。
味噌の製法:
1.大豆を蒸す、または煮てつぶす
2.麹菌を付着させた米麹(米味噌)、麦麹(麦味噌)または豆麹(豆味噌)を混ぜて塩を加えて仕込む
3.約8ヶ月~1年程度発酵、熟成させる
出汁入り味噌は通常の味噌よりも安価で購入できることが多く、大豆も国産でないものが多いです。
毎日の食事に使う調味料として何が注意かみていきましょう。
出汁入りみそを買うべきでない理由①添加物
スーパーでよく購入できるマルコメ、紅一点、ハナマルキなどの有名メーカーの出汁入りみそには大豆、米、塩のほかにも酵母エキスなどのエキス類や酒精、調味料(アミノ酸等)などが含まれています。
後述しますが、酒精は遺伝子組み換え作物を使用し製造されている可能性があるため、遺伝子組み換えを避けている方には注意が必要です。
調味料(アミノ酸等)は、調味料やお菓子、惣菜などありとあらゆる食品に入っているため、自分が思っているよりも摂りすぎている可能性があります。
実は日本よりも海外のほうがグルタミン酸ナトリウム(MSG)が使用されている食品かどうかを気にする風潮が強いため、アメリカではグルタミン酸ナトリウムを添加する場合はラベルに記載することが求められています。
日本には販売されていませんが、調味料(アミノ酸等)を不使用とする「No added MSG」の日新カップヌードルがアメリカでは発売されており、ベビーフードに添加物のグルタミン酸ナトリウムを使うことは避けられています。
出汁入りみそを買うべきでない理由②酵母菌が死んでいる
出汁入り味噌には酒精が含まれている理由があります。
それは、酵母菌の活動を抑制することで二酸化炭素の発生を抑え、味噌の容器が膨らまないようにするためです。
だし入り味噌は、酒精の成分で酵母菌の働きが抑えられていますが、食品添加物が入っていない昔ながらの味噌には、酵母菌の働きによって以下のようなメリットがあります。
①消化のサポート:味噌の原料である麹(こうじ)に含まれる酵素は、栄養素の吸収、消化をサポートする
②腸内細菌を元気に:乳酸菌も善玉菌に属し、乳酸菌自体に加え、生成する乳酸は善玉菌に好影響を与え、腸内フローラのバランスを整える
➂ビタミンの生成:麹菌は自らビタミンB1、B2、B6など肌の代謝に重要なビタミン類を生成する
総じて、酒精が入った味噌と通常の味噌は微生物の活動に違いがあり、酵母菌の良い影響を身体に取り入れたいのであれば、酒精が入っていない本物の味噌をおすすめします。
味噌に含まれる生きた酵母菌は、身体に必要な栄養素を効率よく吸収し、腸内細菌を整えるなど様々な働きがあるため、酒精が添加され酵母菌の活動が抑えられた味噌よりも、酵母菌が生きた味噌には大きなメリットがあるからです。
出汁入りみそを買うべきでない理由➂原料に遺伝子組み換え
味噌の原料である大豆の産地は要チェックです。
遺伝子組み換え分別済みなどの記載がない場合は遺伝子組み換え大豆が使用されている可能性があります。
また、だし入り味噌には酵母の発酵が進んで容器が爆発するのを防ぐために酒精が含まれていて、酒精も遺伝子組み換え作物から作られている可能性があります。
出汁入り味噌の原材料ラベルを見ても、醸造アルコールが何から作られたか記載義務はないため、とうもろこしやてんさいといった遺伝子組み換え作物が使われたか知るすべはありません。
ですが、安い出汁入り味噌の添加物として使用するコスト面を考えると、遺伝子組み換え原料を使うことは製造者側にメリットがあると考えることができますよね。
本物の味噌の選び方
出汁入り味噌ではなく、本物の味噌はこのように選びましょう。
1.「大豆、米(または麦)、食塩」のみを原材料とする無添加
2.「ガス抜きバルブ付き」
3.「長期熟成」
①「大豆、米(または麦)、食塩」のみを原材料とする無添加
酵母エキスなどのエキス類や酒精、調味料(アミノ酸等)が入っていない無添加の味噌を選びましょう。
昔ながらの味噌は「大豆、米(または麦)、塩」という家庭にあるような材料から造られています。アミノ酸やエキス類のほか、酒精、アルコールが添加されていない無添加のものを選びましょう。
普段使用する加工品や加工肉から食品添加物を食べていることが多い現代の食生活だからこそ、使用頻度の高い調味料は無添加にこだわることで、食べなくてもいい添加物を避けることができます。
②味噌の容器に「ガス抜きバルブ」がついた「生みそ」を
味噌には生みそと普通のみそがあり、その違いは加熱処理の有無です。
普通の味噌は発酵が進んで容器が膨張しないように、出荷前に加熱処理が加えられたり、出汁入り味噌のように酒精を添加されます。
一方、生みそは加熱処理をしていないので、酵母菌などが生きており容器内でも発酵が進み続けます。
風味や香り、さらに栄養価を重視したい方は、発酵で生じる二酸化炭素を放出するガス抜きバルブが容器に付いた味噌を選ぶのがおすすめです。
ラベルには「生みそ、天然醸造、非加熱みそ」などと書かれていることが多いです。
加熱処理、または酒精が添加されていないことで品質の安定性がキープされにくいデメリットはありますが、開封後は時間とともに風味の変化があり、味噌の楽しみ方が広がりますよ。
生みそは普通の味噌同様に赤ちゃんに与えて問題ないとされており、離乳食後期より風味付けに使うことができます。体の小さい子供は大人よりも化学物質に影響を受けやすいため、無添加の味噌を選ぶのが基本です。
ただし、味噌の原料である大豆はアレルギーの心配もあるため、初めはごく少量から与えるようにしましょう。
➂「長期熟成」の味噌を
味にこだわりたい方は特に、長期熟成させた味噌がおすすめです。
長期熟成することで味噌の中の酵母菌やアミノ酸がゆっくりと反応し、大豆のうま味と風味が驚くほど濃厚な味噌になります。
さらに熟成が進むことで乳酸菌などの栄養成分が増して、健康にもメリットが期待できます。
【厳選】普段使いにおすすめ!本物の味噌3選
味噌汁などの普段の料理に使う味噌を美味しくて安心できるものにしたい方に、お手頃な価格の味噌のおすすめを紹介します。
有機JAS認証や有機(オーガニック)栽培について知りたい方は「有機、オーガニック、無農薬の栽培方法の違いを知って野菜を選ぼう」をご覧ください。
日常用おすすめ①ひかり味噌 無添加円熟こうじみそ
米味噌 価格:495円 容量:750g 原材料:米(国産)、有機大豆(国産)、食塩(天日塩) 通気口あり
「無添加円熟こうじみそ」は1993年の発売から20年以上のロングセラー商品で、国産の有機大豆・国産米・塩が原材料で添加物を一切含まない本物の味噌です。
ひかり味噌は無添加や有機味噌を中心に味噌の製造販売を行う会社で、味噌の原料は有機大豆にこだわりたいという方にぴったりの味噌が見つかります。
通気口がついている生みそ、かつ有機大豆を使用している味噌がリーズナブルな価格で購入することができるので、初めての方にもリピーターにもおすすめです。
日常用おすすめ②マルマン 国産生コクの極み無添加(赤)
米味噌 価格:約648円 容量:700g 原材料:大豆(国産)、米(国産)、塩(国産) 通気口あり
マルマンの「国産生 コクの極み 無添加」味噌は、国産大豆・国産米・塩が原材料の無添加、中辛口の無添加信州味噌です。
創業130年以上の老舗であるマルマンは無添加味噌を業界に先駆けて開発した会社で、有機味噌の原料である有機米や有機大豆を栽培する広大な畑をモンゴルに所有しています。
甘いだけでなく味噌の塩気や旨味を感じたい方には赤みそ、程よい塩味と香りを楽しみたいなら白みそと選ぶことができるのでお気に入りが見つかりやすいですよ。
楽天のマルマンにはお得なセットで販売されていることもあるので要チェックです。
日常用おすすめ➂フンドーキン 生詰あわせみそ
米と麦のあわせ味噌 価格:567円 容量:850g 原材料:米(国産)、大豆(分別生産流通管理済)、食塩、大麦 通気口あり
フンドーキンの「生詰あわせみそ」は優しい塩味、甘めの白味噌好きにファンが多く、普段の食事に合う無添加味噌として人気があります。
TBS系列のサタデープラスのコーナー「ひたすら試してランキング」味噌編では、フンドーキンの生詰無添加あわせみそが総合ランキング3位となりました。
生詰あわせ味噌に使用される大豆は原産国表記がないため、国産でない可能性が高いですが、塩辛い味噌が苦手な方にとっては絶大な人気があるため、無添加味噌として気になる方は要チェックです。
原材料は有機にこだわりたい方に!本物の味噌2選
日常用との価格の違いはズバリ原材料の質の差。
国産はもちろんのこと、自然栽培、有機栽培された大豆、米、さらに天日塩を使用した他にはない味噌は、お歳暮やプレゼントにも評判がよく自宅用で楽しむのも最高の一品です。
家族で消費しても味噌は1パック1か月程度は持つ味噌は、ビンテージワインのような高級嗜好品でもないので、質が良いものでも手が届く価格なのが良いところです。
本格派におすすめ①足立醸造 自然栽培みそ 結YUI
米味噌 価格:約2,322円 容量:900g 原材料:大豆(国産)、米(国産)、塩(国産)
農薬も肥料も全く使用しないのが自然栽培。無肥料で生産された野菜は希少で高価なためほとんど市場で見かけませんが、明治32年創業の足立醸造では自然栽培された大豆、米を使用し醤油や味噌を製造する兵庫県にある稀有な蔵元です。
有機大豆は北海道、有機米は宮城県で自然栽培され、塩は沖縄産のミネラル豊富な自然塩と原材料へのこだわりと、木樽を使用した製造法による伝統的な製法が通常品との価格差にでています。
自然栽培された原料を使った加工品自体がめずらしいので「健康意識の高い方」へのプレゼント、また小さな子供に食べさせるうえで安心できるものを選びたいという方におすすめの味噌です。
本格派におすすめ②ヤマキ醸造 生かをる国産有機玄米味噌
玄米味噌 価格:約810円 容量:300g 原材料:大豆(国産)、米(国産)、塩
埼玉県で明治35年創業のヤマキ醸造では「自然の中で自然のものを造る」をモットーに、化学調味料・保存料などの添加物は使用しない味噌、醤油造りを行う蔵元。
玄米特有の旨味と味の調和がとれた玄米味噌は、玄米食の方や舌の肥えた方からリピートされるヤマキ醸造の一番人気の味噌です。
玄米味噌は製造に技術を要すること、また玄米の残留農薬の心配から信頼できる生産者からでないと原料調達できないなどの課題があり、一般的に米味噌に比べて玄米味噌は流通量が少ないですが、試行錯誤の末にヤマキ醸造では有機原料を使用した玄米味噌が製品化されました。
使う頻度にあわせて、容器に入った300gからパック詰めの500g、1kgと容量も選べますよ。
まとめ<出汁入りみそのデメリットと本物の味噌おすすめ>
どの家庭も限られた食費には違いありませんが、毎日使う調味料にこそお金をかける価値があります。その選択の積み重ねが日々の健康と子どもや家族の味覚を守ることにつながります。
食品添加物で早く安く造られたものではなく、安心できる味噌を食べたいという方は、以下のポイントを抑えた味噌を選びましょう。
当サイトでご紹介している味噌は、生産者または栽培地や栽培方法の情報公開があるかを重視しています。
安いものには裏があります。出汁入り味噌のようにコストカットのために使用される食品添加物やデメリットを知ることで、自己防衛をしながら家族の健康的な食生活の基本を少しずつアップデートしていきましょう。
当サイトでは、お手頃で普段使いしやすい味噌は「ひかり味噌の無添加円熟こうじみそ」、有機原材料にこだわった木樽仕込みの本格的な味噌は「足立醸造の自然栽培みそ 結YUI」をおすすめしています。
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