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『日本の農薬使用量が世界一?』農薬の少ない野菜を選ぶために知っておきたい農薬事情

日本の農薬使用量

健康志向の高まりで体に良いものを選びたいという人、増えていますよね。

スーパーで買ってるいつもの野菜、残留農薬は大丈夫なの・・・?

私たちがスーパーなどで購入する野菜(慣行栽培)、実は驚くほど残留農薬の基準値が高いことを知っていますか?

この記事は、毎日の食事に安心安全な食材を選びたいと思う方に向けて、世界と比較した日本の残留基準値の高さや、気をつけたい農薬など、スーパーで安全な食べ物を選ぶため知っておくべき日本の農薬事情をわかりやすく解説しています。

この記事の内容

・世界と比較した日本の農薬使用量と残留基準値
・日本の残留農薬基準値の引き上げとスーパーの野菜への影響
・特に避けたい農薬の種類
・農薬が少ないとされる野菜のリスト

農薬のことは現在妊娠を考えている方や妊娠中の方、また小さいお子さんがいるご家族は特に、知っておくと自己防衛できるはずです!

日本の野菜が危険といわれている?

知っていましたか?
日本は世界有数の農薬使用国であることを。。

日本では…

EUでは使用を禁止されているネオニコチノイド系農薬ですが、世界と逆行し日本は残留基準値が大幅にゆるくなりました。(2015年5月)
例:ホウレン草→3ppm→40ppm(13倍へ)
カブの葉0.02ppm→40ppm(2000倍へ)

アメリカでは発がん性を指摘され巨額の賠償金が命じられている除草剤成分、グリホサートの残留基準値も日本では大幅に緩和されています。(2017年12月)
例:小麦5ppm→30ppm(6倍へ)、ソバ0.2ppm→30ppm(150倍へ)

この国は、農薬を制限するという世界の潮流に反し、できるだけ農薬を使うような仕組みを作りあげてきたのが現実であって、とても「国産は安全」なんて胸を張って言えたものではない。

引用元:本当は危ない国産食品 / 奥野修司

世界基準よりはるかに残留農薬の基準値が高いのでは、こどもに食べさせるのに不安になるのは当然ですよね。

私たちの知らぬ間に農薬使用量や残留農薬の基準値が世界的に高くなってしまった日本。
世界と比較して日本人だけが農薬に耐性のある身体、という訳はないはずです。

『知っていれば農薬を避けたかった』、『気づくのが遅かった』という事態は避けたいからこそ、ここからは日本における農薬事情を解説していきます。

日本の農薬使用量は世界第2位

日本の農薬使用量は第一位の中国に次ぐ世界二位。世界の使用量と比較しても農薬使用量がはるかに高いです。

【主要国の耕地単位面積(1ha)あたりの農薬使用量(2018年)】

1位 中国 (13.07kg)
2位 日本  (11.84kg)
3位 韓国  (11.73kg)

4位 オランダ (8.79kg)
5位 ベルギー (7.59kg)
6位 イタリア (5.91kg)
7位 スイス (4.85kg)
8位 フランス (4.45kg)
9位 ドイツ (3.77kg)
10位 スペイン (3.66kg)
11位 イギリス (3.17kg)
12位 アメリカ (2.54kg)
13位 カナダ (2.26kg)
14位 オーストラリア (2.03kg)
15位 ロシア (0.62kg)

出典:FAO「FAOSTAT」農地1haあたり国別農薬使用量(2018年)よりむすぶ作成

FAO(国連食糧農業機関)が公開したランキングで、2018年の耕地単位面積当たりどれくらい農薬を使用するか国別に表しています。

アメリカは小麦やトウモロコシ、大豆などの遺伝子組み換え作物の栽培面積のほうが普通作物の面積よりも多いこと、

また高温多湿な日本の気候と、ヨーロッパの冷涼な気候という栽培条件の違いはありますので使用量だけの比較は単純にできませんが、欧米諸国と比較してこれだけの差があるのも事実です。

厳しくなるどころか、残留基準値が緩和されている

ミツバチへの農薬被害

私たちの知らぬ間に農薬の残留基準値は引き上げられている事実があります。

2015年に厚生労働省はネオニコチノイド系農薬の残留基準値を大幅にゆるめています。

ネオニコチノイド系農薬とは…
害虫の神経伝達機能を攪乱させ、麻痺や死に至らす農薬。近年ミツバチの大量死を招いた原因として危険視されています。

日本のネオニコチノイド系農薬(クロチアニジン)残留基準値(ppm)

野菜 改正前 改正後
ホウレンソウ 3ppm     → 40ppm(13倍)
シュンギク 0.2ppm    → 10ppm(50倍)
ミツバ 0.02ppm    → 20ppm(1000倍)
カブの葉 0.02ppm    → 40ppm(2000倍)

出典:『食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準
厚労省のPDFへリンクします

「厚生労働省は農薬が基準値いっぱいまで残留した食品を食べても、私たちの健康に影響のない許容量以下と発表しているけど…?」

ネオニコチノイド系農薬のような神経毒性がある農薬は、からだも小さく器官の未発達な赤ちゃんや子どもへの影響が指摘されています。

妊娠中に母親がネオニコチノイドに曝露されると、胎児もネオニコチノイドに曝され、発達途中の脳に作用します。胎児だけでなく幼児でも、脳を毒物から守るための脳関門が未発達であるため毒物が脳内に入り込みやすく、ネオニコチノイドが脳内のさまざまな部位の正常な神経回路形成を阻害し、自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)を引き起こす原因となる可能性も示唆されています。

引用元:ネオニコチノイド系農薬問題とは?~人体への影響~
/ 一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト

残留基準値が大幅に緩められたホウレン草はたった1株程度(40g)で、身体の小さい幼児にとっては急性中毒のリスクがあると考える人もいるんです。

同じ野菜にもかかわらず日本の残留基準値ではEUで汚染物扱いされるホウレン草を、こどもに与えることに不安を感じる人がいてもおかしくありませんよね。

国が示した基準値の緩和の安全性を判断するのは、いまや私たち自身なのです。

海外では使用禁止?特に危険な農薬

注意マーク
ヨーロッパ諸国では使用禁止で足並みをそろえているネオニコチノイド系農薬、さらに小麦に多く残留するグリホサートにも注意が必要です。

現在世界で最も広く使われている殺虫剤「ネオニコチノイド系農薬」

ニコチノイド系農薬とは、害虫の神経伝達機能を攪乱させ、麻痺や死に至らす農薬です。

EU各国では全面使用禁止、または一部制限された使用のみ
アメリカ、カナダ、ブラジル、韓国、台湾、フィジーでも禁止または規制が強化されていますが、世界と逆行し日本は規制を緩和しています。

ネオニコチノイド系農薬が危険と指摘される理由

1.「浸透性」
可食部まで浸透して洗っても農薬がとれない

2.「残効性」
長い期間残留する

3 「神経毒性」
神経に作用してかく乱させる

という3つの農薬の特性が挙げられます。

特に『神経毒性』については、昆虫に対して選択的に効果を発揮すると謳われていましたが、近年ヒトの健康に影響する研究結果が報告されています。

EUで食品の安全性などを評価するEFSA(欧州食品安全機関)の科学委員会は、ネオニコチノイド系農薬(アセタミプリドとイミダクロプリド)が哺乳類の脳内の神経伝達メカニズムに与える影響に関する研究結果を検討し、「神経の発達と機能に悪影響を与える可能性がある」との結論を出しています。

出典:内閣府食品安全委員会「欧州食品安全機関(EFSA)、ネオニコチノイド系農薬2品目と発達神経毒性の潜在的な関連性を評価した旨を報道発表」

そうは言っても、ネオニコチノイド系農薬はどの野菜についているのか分からないという方が多いはず…。

恐ろしいことに、スーパーで買える一般的な野菜や果物(慣行栽培)には、ネオニコチノイド系農薬がほぼ使われているそうです。

ネオニコチノイド系農薬を使用していない野菜を選ぶ一つの基準に有機JASマークがあります。

有機JASは農薬や化学合成肥料を使わず、JAS規格を満たす有機栽培を行い検査に合格した農産物、加工品を認証するマークです。

有機JASマークは農薬を使用しないことや遺伝子組み換えの禁止などJAS規格に沿って栽培された農作物にのみ与えられる認証で、安心して有機野菜(オーガニック野菜)を食べることができます。

有機やオーガニック、無農薬の違いを知りたい方はを有機、オーガニック、無農薬の栽培方法の違いを知って野菜を選ぼうをご覧ください。

世界で最も売れている除草剤の成分「グリホサート」

農薬の散布風景

グリホサートとは、世界で最も売れている除草剤ラウンドアップの主成分です。

グリホサートとは
グリホサートとは、2015年WHO(世界保健機関)の専門組織である国際がん研究機関(IRAC)が発がん性を指摘し、危険レベルを引き上げた化学物質です。

グリホサートの発がん性をめぐる論争は続いていて、ラウンドアップ(グリホサートが入った除草剤)の使用による発ガンを訴えた裁判で数十億円の賠償判決もでており、今も裁判は続いています。
それだけに注意が必要な化学物質ということが明らかです。

世界の公的機関の見解として現時点(2023年2月)で最新の評価としては、

アメリカ政府の機関で有害物質、疾病登録局であるATSDR(Agency Toxic Substances and Desease Registry)は、グリホサートの評価書案を公開し、公的に発がん性を認めています。
参照・ATSDR Report Confirms Glyphosate Cancer Risks

発がん性を疑われ、何度も公的機関が再調査するグリホサート。
頻繁かつ継続的に摂取してしまうことは特に避けたいところです。

普段の生活でグリホサートを避けるには、輸入小麦を避けるという方法があります。

農林水産省の調査によると、アメリカ、カナダから輸入する9割以上の小麦からグリホサートが検出されています。

収穫前に作物を枯らして効率的に収獲できるよう、プレハーベスト(収穫前に農薬を散布すること)が認められており、残留濃度が高くなっているのです。

不要なグリホサートを摂りこまないためにも、外国産の小麦や原材料に外国産小麦を使用するパンはできるだけ避けることをおすすめします。

農薬が少ないとされる野菜のリスト

残留農薬が少ないとされる野菜も頭に入れておきましょう。
以下は普段食べる野菜として一軍に入れておくといいかもしれませんね。

clean15rank-2022

残留農薬が少ない野菜・果物リスト
1.アボカド
2.スイートコーン
3.パイナップル
4.玉ねぎ
5.パパイヤ
6.グリーンピース
7.アスパラガス
8.ハネデューメロン
9.キウイ
10.キャベツ
11.マッシュルーム
12.マスクメロン
13.マンゴー
14.スイカ
15.サツマイモ
参照:EWG’S 2022 CLEAN 15™

アメリカの非営利団体『Environmental Working Group :EWG』が発表した残留農薬の少ない野菜、果物のランキングで、USDA(アメリカ農務省)が実施する定期調査をもとに公開されています。

ちなみに残留農薬が多い野菜・果物のランキングはこちら。

2022年汚染された農作物ランキングdirty-dozen2022

残留農薬が多い野菜・果物リスト
1.いちご
2.ほうれん草
3.ケール、コラード(ケールの一種)、からし菜
4.ネクタリン
5.りんご
6.ぶどう
7.パプリカ・唐辛子類
8.さくらんぼ
9.桃
10.梨
11.セロリ
12.トマト
参照:EWG’S 2022 DIRTY 12™

結果はアメリカのものですが、残留農薬の基準値が高い日本なので参考になる調査だと思います。

果物や葉物野菜には残留農薬が多い傾向にあり、毎年の順位も似ているのでお買い物の時に役立つ情報として覚えておくといいですね。

まとめ

海外では健康へのリスクを嫌でも毎回確認させられるようになっているたばこのパッケージ、見たことある方も多いと思います。

日本の野菜の外装パッケージで同じことをやってほしいという訳ではありませんが、研究結果でヒトの健康への影響も指摘される農薬なのに、スーパーで農薬に関する説明を見る機会はないからこそ、自己防衛のために農薬について知っていることが重要です。

農薬については、買い物をする私たちが情報を探しにいかなければ知ることができないというのが今の現状なんです。

知らぬ間に残留基準値が高い野菜を自分やこどもに食べさせているということは避けたいからこそ、まずは知ること、そして行動を変えてみることが大切です。

食べ物は身体とこころを作る大切な恵みだからこそ、自分と家族の未来の健康を守るために農薬について知ることは大切。

普段の生活で農薬を可能な限り避ける方法を紹介していますので、気になる方は以下の記事もチェックしてみてくださいね。

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農薬不使用の野菜の選び方
有機、オーガニック、無農薬の栽培方法の違いを知って野菜を選ぼう
スーパーの野菜残留農薬の落とし方