・安い豆腐の添加物が気になる
・毎日食べる食材を安全性の高いものにしたい
・無添加豆腐の選び方を知りたい
豆腐は「大豆、水、にがり」で作ることができるので添加物の少ない加工品ですが、原料として表示されていない添加物が入っていることをご存知ですか?
「乳化にがり」と呼ばれる、にがりに油脂をコーティングして固められた豆腐は、「乳化にがり」に使われた添加物の表示義務がないので、使われていない豆腐と同様にスーパーに並んでいるのが現状です。
この記事では、豆腐に使用される添加物や表示義務のない乳化にがりについて解説、安全な豆腐の選び方とおすすめ品をご紹介しています。
豆乳を固めて作る豆腐は、食品添加物の「凝固剤」不使用では作ることができない食材です。
したがって、「凝固剤」以外の添加物不使用の豆腐をこの記事では便宜上、「無添加」としてご紹介しています。
豆腐は何からできている?
豆腐は「大豆」と「水」、「凝固剤」であるにがりで作ることができます。
大量生産、生産効率を重視する場合は、さらに「消泡剤」やレシチンなどの食品添加物が入ります。
大手スーパーのとある豆腐の原材料を例に見ていくと、
大豆(アメリカ産又はカナダ産)
豆腐用凝固剤[粗製海水塩化マグネシウム(にがり)]、消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル、炭酸カルシウム、レシチン:大豆由来、シリコーン樹脂)
大豆と凝固剤以外にも、色々な食品添加物が入っていることがわかります。
豆腐に必須である凝固剤も、用途によって数種類併用されていることもあります。
豆腐に使われる食品添加物について
それぞれの添加物をみていきましょう。
凝固剤
凝固剤は液体の豆乳を固体にするために使われる食品添加物で、豆腐には必要不可欠なものです。
食品衛生法で指定される豆腐の凝固剤は、次のとおりです。
1.「粗製海水塩化マグネシウム」、「粗製海水塩化マグネシウム(にがり)」または 塩化マグネシウム含有物
2.塩化マグネシウム(にがり)
3.硫酸カルシウム
4.グルコノデルタラクトン
5.塩化カルシウム
6.硫酸マグネシウム
1の「粗製海水塩化マグネシウム」は天然のにがりとも呼ばれ、海水を煮詰めてできる液体のことです。
天然にがりはナトリウムやカリウムなどのミネラルが豊富で、食品に少量使用するとコクと旨味をプラスしてくれます。
また、塩化マグネシウムは天然にがりからさらに塩(塩化ナトリウム)をとって精製したものでミネラルなどはありません。
化学合成されたにがりが使われる理由としてこのようなものがあります。
・固まるスピードが遅いので扱いやすく、機械による製造に向いている
・保水力があり豆腐の舌触りがよくなったり、食感がよくなったりする等
大豆本来の味を楽しみたい方や、ミネラルなどの栄養を摂ることを意識している方は、天然にがりである粗製海水塩化マグネシウムを使った豆腐を選びましょう。
消泡剤
大豆にはサポニンという成分が入っており、水に溶かすと泡立つ性質があります。
大豆を加熱すると大量に泡がでるので、消泡剤は製造時にでるこの泡を消すために使用します。
主に使用される「消泡剤」は、
・油脂系消泡剤
・グリセリン脂肪酸エステル
・シリコーン樹脂
などがありすべて化学合成物質ですが、消泡剤は「加工助剤」として取り扱われるので表示義務がなく、表示してある豆腐もあれば、表示なしで販売されているものもあります。
加工助剤とは?
1. 最終的に、完成した食品から成分が残らないもの
2. 食品中に通常存在する成分に変わり、その成分の量が食品中に通常存在する量を上回ることのないもの
3. 完成した食品中にわずかなレベルでのみ存在し、食品に影響を及ぼさないもの
消泡剤は製造中に分解されて食品からは検出されないレベルではあるものの、ごく僅かに残っている場合は少しずつ摂取することになるため、毎日食べるような食材には消泡剤不使用のものを選びましょう
その他添加物
主に大量生産する豆腐に使われることが多い添加物です。
・レシチン(大豆由来)
レシチンは大豆の種子などから抽出した成分で、混ざりにくい水と油を均一に混ざりやすくするための乳化剤として使われたり、泡を消したりする食品添加物として使用されます。
食品使用例:マーガリン、アイスクリーム、菓子類、調整粉乳 等
大豆レシチンはアレルギー反応が起きる可能性や、遺伝子組換え大豆の使用が指摘されるので、安全性に不安があります。
あえて豆腐から積極的に摂りたいものではないので、その他添加物にも注意しましょう。
表示なくスーパーに並ぶ乳化にがり豆腐に注意
豆腐には「乳化にがり」という、使用しても表示しなくていい食品添加物があるのをご存知ですか?
以下は大手化学メーカーが提供する乳化にがりの成分です。
乳化にがりの成分:
植物性油脂、塩化マグネシウム、水、グリセリン脂肪酸エステル、ミックストコフェロール、ビタミンCパルミテート
にがりにコーティングされる成分として植物性油脂や酸化防止剤がありますが、にがり(塩化マグネシウム)よりも植物性油脂のほうが配合量が多くなっています。
自分は食べたことないと思っていても、実は乳化にがりが使用された豆腐を知らずしらずのうちに食べている可能性があります。
なぜなら…
たとえ乳化にがりを使用していても原料表示上は「にがり」、「塩化マグネシウム」、「豆腐用凝固剤」と表示されるから。
乳化にがりを使用した豆腐には「乳化にがり」と表示をする義務がないため、スーパーには乳化にがりが使用された豆腐が置かれているのが現状です。
生産効率上必要だから乳化にがりを使用しているのは理解できますが、選びたい人にとって乳化にがりの使用有無を区別できないのは不公平だと感じます。
乳化にがりが使用されていた場合でも、食品表示上は「粗製海水塩化マグネシウム(にがり)」と記載されているので、天然にがりを使用した豆腐を選んでいる人にとっても不利益な表示方法といえます。
乳化にがり使用の豆腐を避ける方法
商品を見ただけでは判別できないですが、乳化にがりが使用された豆腐を避ける目安としては、
1.大量生産されたものを選ばない
2.あまりにも安いもの(100円以下の価格帯)は避ける
3.有機JASマークのある豆腐を買う
4.乳化にがり不使用と記載された豆腐を買う
があります。
乳化にがりは豆腐の凝固速度のコントロールや、希望する硬さのある豆腐を作るなど、繊細な仕事を機械で効率よく行う目的で使用されるため、初めから大量生産された豆腐や安い製品を選ばないようにすることが、乳化にがりを避ける方法の一つと考えられます。
また、有機食材として認定されるJASマークの商品を選ぶのも一つの手です。
豆腐に使用する凝固剤も「粗製海水塩化マグネシウム」「塩化マグネシウム」、「塩化カルシウム」などと決められており乳化にがりを使うことができないので、有機JASマークのついた豆腐は、乳化にがりを避けたい場合の選択肢になります。
さらに最も確実な方法は、商品に「乳化にがり不使用」の表記があるものです。
一般的なスーパーで、表示義務のない「乳化にがり」は商品を見ただけでは不使用かどうか区別することが難しいですが、最近は「乳化にがり不使用」の表示つき豆腐を見つけることができるようになりました。
また、食材宅配サービスや有機食材販売店でも「乳化にがり不使用」の豆腐を取り扱っています。
安心な豆腐の選び方
普段食べる食材の添加物が気になる方は、安心できる豆腐の選び方を参考にしてください。
1.大豆は国産のもの
2.天然にがりで使用、できるだけ「乳化にがり不使用」を選ぶ
3.消泡剤、その他添加物が不使用なもの
【スーパー編】乳化にがり不使用の豆腐
乳化にがり不使用の豆腐は一般的なスーパーで見かけたことがありませんが、限られた店舗には置いているのでお近くに該当店舗があればチェックしてみてくださいね。
椿き家 「国産有機豆腐」
椿き家の「国産有機豆腐」は、有機JAS認定品で大豆も有機にこだわった豆腐です。
乳化にがり不使用とは記載していませんが、商品説明に『にがり以外の添加物(消泡剤、品質改良材、pH調整剤)などは使用していません。』とあるので豆腐用品質改良剤としての乳化にがりを使用していないことが分かります。
原材料 | 有機丸大豆(国産、遺伝子組み換えでない)/凝固剤[粗製海水塩化マグネシウム(にがり)] |
内容量 | 150g |
価格 | 181円 (税込) ※2個パックのものは354円 (税込) |
取り扱い店舗が限定されていますが、以下のサイトから確認することができます。
こだわりの味協同組合「北海道産大豆の充填豆腐」
量も食べきりで使いやすい3パック入りの、「乳化にがり不使用」で国産大豆の無添加豆腐です。
原材料 | 大豆(国産)、遺伝子組み換えでない/豆腐用凝固剤[粗製海水塩化マグネシウム(にがり)] |
内容量 | 150g×3個 |
価格 | 335円 (税込) |
無添加食材にこだわる自然派食品店など(大手スーパーは取扱いせず)
楽天サイト
【食材宅配編】乳化にがり不使用の豆腐
食の安全にこだわる食材宅配サービスには、乳化にがり不使用の無添加豆腐の取り扱いがあります。
豆腐以外の加工品も定期的に頼むことができ、安心できる食材を玄関まで届けてくれるので、健康的な食生活を送るため仕組みづくりにとても便利です。
ビオマルシェ 「国産有機充填豆腐」
ビオマルシェの「国産有機充填豆腐」は、有機JAS認定の乳化にがり不使用の豆腐です。
充填豆腐は柔らかい食感なので絹ごしが好きな方にもおすすめ。大豆は国産の有機大豆で乳化にがり不使用、さらに価格的にも継続して購入しやすいので日常使いしやすいです。
充填豆腐以外にも絹、木綿もあり、会員になると毎週購入する商品としてネットで事前登録しておくと、さらに5%割引で購入することもできます。
ビオマルシェは食材宅配サービスの中で唯一、扱う野菜はすべて有機野菜のみとしていることや、加工品は有機JASで認められた物を中心に扱ってるので食の安全性へのこだわりが強い食材宅配サービスですが、オンラインショップは非会員だと購入できないのが唯一の難点です。
原材料 | 有機大豆(国産)、凝固剤(粗製海水塩化マグネシウム「にがり」) |
内容量 | 280g |
価格 | 158円(税込) |
いきなり会員が気になる方は、まずビオマルシェのお試しセットをたのむことをおすすめします。
ビオマルシェの加工品は有機JASで認められた物を中心に扱っているので、豆腐以外の無添加食材を探す手間も省けますよ。
\ 有機野菜なのに、1品たったの160円で楽しめる /
コープ自然派 「北海道産とよまき大豆 もめん豆腐」
コープ自然派の「北海道産とよまき大豆 もめん豆腐」は、乳化にがり不使用、遺伝子組み換え大豆不使用、北海道産の有機大豆で作られた無添加豆腐です。
職人の手仕事を完全自動化しているため機械による製造が可能になり、価格も抑えられています。
原材料 | 有機大豆(国産)(遺伝子組み換えでない)、凝固剤(粗製海水塩化マグネシウム「にがり」) |
内容量 | 350g |
価格 | 149円(税込) |
コープ自然派は関西、四国を中心とした組合員で運営される生協のため、配達エリアが限定されているのがネックですが、エリア内の方は組合員になることで購入することが可能になります。
配達エリア:近畿(大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山)、四国(徳島、香川、愛媛、高知) (一部配達エリア外があります)
会員になる前に、資料請求をすることができます。
\ 取り扱い農産物の60%以上がオーガニック /
【通販編】乳化にがり不使用の豆腐
豆腐のような日常的に使う食材の場合、購入単価が安くなるのでショップによって送料がかかるのがネックですが、オンラインショップはいつでも購入できるので便利です。
乳化にがり不使用の表記はありませんが、有機原材料にこだわった有機豆腐を販売するショップはあります。
有機家 「宮古庵有機豆腐 匠」
有機家の「有機豆腐 匠」は、青森県産有機大豆を使用した昔ながらの製法で作られた無添加豆腐です。
製法上、手間ひまコストがかかるので大量生産ができないため、入荷・発送日を毎週火曜・木曜に限定しています。
原材料 | 国産オオスズ有機大豆(青森)、伊豆大島産天然にがり(塩化マグネシウム)、有機なたね油(アメリカ産) |
内容量 | 270g |
価格 | 313円(税込) |
島田食品 「国産有機 もめん」
島田食品は創業60年の豆腐屋さんです。
消泡剤や乳化にがりなどの合成凝固剤は一切使用せず、国産の有機大豆を使用しています。
さらに大豆はコクと粘り気があるオオスズという豆腐に最も適した品種を使用。
安心できる原材料でつくられた島田屋食品の食材は、学校給食にも提供されています。
原材料 | 有機大豆(国産)/凝固剤(粗製海水塩化マグネシウム含有物(にがり)) |
内容量 | 330g |
価格 | 299円(税込) |
島田食品の豆腐を一番お得に買う方法は、ビオマルシェ!
食材宅配サービスのビオマルシェでは、島田食品の豆腐を扱っています。
島田食品のもめんときぬはビオマルシェの会員になると、事前登録で5%の割引購入ができるようになっているので、毎週食べたい方には一番お得な購入方法です。
ビオマルシェは100%有機野菜が1,500円で食べれられるお得すぎるお試しがあるので、
いきなり会員が気になる方はこちらをおすすめします。
\ 初回限定(会員価格2,980円)を 1,500円で /
まとめ
豆腐には表示義務のない添加物があることから、毎日食べることが多いご家庭はなるべく安心なものを選びたいですね。
豆腐を固めるために乳化にがりが使用されていても、添加物として表示義務はないため要注意。コストを抑え大量生産された安い豆腐には使用されていると考えられます。
安心な豆腐を見分ける方法としては、有機JAS認定の豆腐や、「乳化にがり不使用」と表示されている豆腐を選びましょう。
また、乳化にがり不使用の豆腐を定期的に食べたい方は食材宅配サービスを使うのもおすすめ。
会員になることで豆腐以外の無添加食材も買いやすくなり、有機大豆の無添加豆腐が続けやすい価格で購入できますよ。