・スーパーに並ぶいちごの農薬が心配
・いちごの農薬の落とし方を知りたい
・子どもに食べさせる安全ないちごを探している
いちご栽培には、大量の農薬が使われていること知っていますか?
最近では日本産のいちごが台湾の残留農薬検査で不合格になるニュースもあり、国産いちごの安全性について気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「いちごの農薬が危ないから食べてはダメ」というような決めつけはせず、リスクを知ったうえでいちごを美味しく食べる方法を提案していきます。
・日本のいちごの農薬事情
・いちごの農薬の落とし方
・安心ないちごの選び方とおすすめのいちご
そもそもいちご栽培に農薬は欠かせない
いちごはりんごと同様に病害虫の被害を受けやすく、無農薬で栽培することが極めて難しい果物です。
屋外で栽培されるいちごの収穫時期は本来4~6月頃ですが、今はクリスマスケーキに需要があることから、旬をずらしてビニールハウスなどの施設での栽培が主流です。
旬の季節に逆らった栽培は農作物にもストレスがかかり病害虫の被害にもあいやすくなるため、農薬散布量が多くなるデメリットも。
いつでもいちごを食べたい私たちのニーズと収獲時期を伸ばせる農家のメリットがあるため、安定した品質と収穫量を確保するためにもいちごを栽培するためには農薬の使用が欠かせないとされる果物なんです。
アメリカの非営利団体『Environmental Working Group :EWG』が毎年発表する残留農薬の多い野菜・果物ランキングでも、毎年の上位にいちごがランクインしています。
残留農薬が多い野菜・果物リスト
1.いちご
2.ほうれん草
3.ケール、コラード(ケールの一種)、からし菜
4.ネクタリン
5.りんご
6.ぶどう
7.パプリカ・唐辛子類
8.さくらんぼ
9.桃
10.梨
11.セロリ
12.トマト
参照:EWG’S 2022 DIRTY 12™
結果はアメリカのものですが、世界と比較しても残留農薬の基準値が高い日本なので、いちごの残留農薬についても参考になると思います。
いちごに使用される農薬散布は50回以上が普通
いちごは他の果物と比べて栽培期間が長いので、結果として農薬使用も多くなってしまう傾向にあります。
農薬使用回数を知ると、洗わずにそのまま食べるには不安がありますよね。
国内のいちご生産量トップ3と農薬使用回数
順位 | 都道府県 | 農薬基準散布回数 |
1位 | 栃木県 | 52回 |
2位 | 福岡県 | 63回 |
3位 | 熊本県 | 52回(促成栽培)、60回(高設栽培) |
国内では9割以上が慣行栽培なので、有機や特別栽培などの記載がない場合、スーパーに並ぶいちごは50回以上農薬が使用されていると考えられます。
ですが農家の方も作業の大変な農薬散布を頻繁にやりたい訳ではなく、いちごの農薬使用量が多くなる理由は、
・いちごは病害虫の被害にあいやすい
・日本は見た目が綺麗ないちごでなければ売れない
・ハウス栽培が主流(病害虫被害も多いので農薬回数も増える)
であることを理解することがまずは大事なこと。
そのうえで、国産のいちごが心配とされる理由を見ていきましょう。
日本のいちごが心配な理由
日本が台湾へ輸出したいちごや、国内で出荷された品種「とちおとめ」に基準値を上回る残留農薬が検出されたという報道は、記憶に新しいかと思います。
このような一時の基準値を上回る残留農薬の危険性だけでなく、根本的に日本のいちごの農薬基準で不安視されていることをみていきましょう。
海外と比較して残留農薬基準がゆるい
農薬と使用可能な作物の組み合わせは国によって違うので、日本ではいちごに使用するけど、ある国ではほとんど使われないこともあります。
そのため作物によって日本の基準が緩いものとそうでないものはありますが、食品の安全基準が高く設定されるEU諸国と比較すると、日本は農作物に使用される農薬の残留基準値が高いです。
世界で最も使用量が多いとされている殺虫剤に「ネオニコチノイド系農薬」と呼ばれる農薬がありますが、この農薬の残留基準値を比較してみるとこれだけの差があるのも事実です。※ネオニコチノイド系農薬に使われる主成分は現在7種類
【国際比較】ネオニコチノイド系農薬の残留基準値
アセタミプリド | チアメトキサム | クロチアニジン | ジノテフラン | イミダクロプリド | チアクロプリド | ニテンピラム | |
日本 | 3 | 2 | 0.7 | 2 | 0.4 | 3 | 2 |
台湾 | 1.0 | 0.5 | 0.07 | 1.5 | 1.0 | 0.01 | 不検出 |
韓国 | 1.0 | 1.0 | 0.5 | 3.0 | 0.4 | 2.0 | 0.01 |
中国 | 2 | 0.5 | 0.07 | 基準値なし | 0.5 | 1 | 基準値なし |
アメリカ | 0.60 | 0.3 | 0.01 | 0.01 | 0.5 | 不検出 | 基準値なし |
EU | 0.5 | 0.3 | 0.02 | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
参照:農林水産省 / 諸外国における残留農薬基準値に関する情報(2023年3月1日時点)
EUではクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムはすべての作物で使用禁止になっています。
使用される農薬(ネオニコチノイド)の危険性
世界で広く使用されるこのネオニコチノイド系農薬ですが、日本のいちご栽培でも当然使われています。
ネオニコチノイド系農薬については、EU各国では全面使用禁止、または一部制限された使用のみとされ、アメリカ、カナダ、ブラジル、韓国、台湾、フィジーでも禁止または規制が強化されていますが、世界と逆行し日本は2015年5月に規制を大幅に緩和しています。
ネオニコチノイド系農薬の危険性を指摘される理由
1.「浸透性」
可食部まで浸透して洗っても農薬がとれない
2.「残効性」
長い期間残留する
3 「神経毒性」
神経に作用してかく乱させる
特に『神経毒性』については、昆虫に対して選択的に効果を発揮すると謳われていましたが、近年ヒトの健康に影響する研究結果が報告されています。
「神経の発達と機能に悪影響を与える可能性がある」との結論を出しています。
EUで食品の安全性などを評価するEFSA(欧州食品安全機関)の科学委員会は、ネオニコチノイド系農薬(アセタミプリドとイミダクロプリド)が哺乳類の脳内の神経伝達メカニズムに与える影響に関する研究結果を検討し、出典:内閣府食品安全委員会「欧州食品安全機関(EFSA)、ネオニコチノイド系農薬2品目と発達神経毒性の潜在的な関連性を評価した旨を報道発表」
スーパーで買える一般的ないちご(慣行栽培)には、ネオニコチノイド系農薬も使われているため、特に器官の未発達な小さな子どもには避けたい農薬の一つです。
ネオニコチノイド系農薬は殺虫剤としてモスピラン、ベストガードなど色々な商品名でありますが、ホームセンターには目立つコーナーに置いてあり、家庭菜園でも普通に使われていて、継続して使用するには心配のある農薬がすぐ手に入ってしまう問題もあります。
また、ネオニコチノイド系農薬だけでなくEU諸国では禁止される以下ような農薬も日本では使用されているので、もはや国産が安全とは言い切れなくなっています。
ネオニコチノイド系農薬以外にもEUで禁止されている農薬の例
ネオニコチノイド系農薬と同様で浸透する性質のある農薬で、ミツバチへの毒性が強いことから、2013年以降EUでは使用禁止となっている。
いちごを始めとする果物や野菜などで残留が検出されるプロシミドンは、環境ホルモン作用があるため、EU諸国で使用禁止。
子どもへの影響は?小さい子にいちごを食べさせていいのか
結論から言うと、定期的に食べたい場合は安心度の高いいちごを選ぶべきです。
もともと他の野菜や果物より残留農薬があるいちごですが、慣行栽培以外の方法で作られたいちごを食べることで、必要以上の農薬を避けることができます。
いちご好きの子どもにたくさん食べさたい日は、有機JAS認定品や無農薬栽培のいちご、または特別栽培農作物として農薬を減らして作られたいちごを選びましょう。
「減農薬」、「低農薬」なら安心という訳ではない
「減農薬」や「低農薬」という記載をよく見かけるようになりましたが、残留性の高い農薬を使用することで農薬回数を減らしているケースがあるので、注意が必要です。
減農薬という記載はあいまいな基準のため、現在では慣行栽培よりも農薬が少ない作物は「特別栽培農作物」として扱われています。
特別栽培農作物は農薬の使用回数を規制されていますが、長い期間効果が持続するネオニコチノイド系農薬を使用することで、使用回数を減らしている実態もあります。
特別栽培作物なら安心ではなく、栽培方法や栽培している農家の方の顔が見えるものを選び、自己防衛をする意識も必要です。
食べる前に洗うが鉄則!いちごの農薬の落とし方
食べる前にいちごは重曹や食品用洗浄剤などで丁寧に洗いましょう。
🍓基本のいちごの洗い方🍓
STEP1.1%の濃度の重曹水をつくる
2カップの水(500ml)の場合、小さじ1(5g)の食品用重曹を溶かす
STEP2.優しくかき回していちごを揺らしたり沈めたりしながら30秒洗う
(長くつけすぎると栄養が逃げるので注意)
STEP3.重曹水から取り出してザルにあげ、
重曹を流水で洗いながすようにしてからいちごを一つずつ流水で洗う
STEP4.キッチンペーパーなどで水気を拭き取る
※ヘタを切って洗うと水っぽくなったりビタミンが逃げたりするのでヘタつきのまま洗ってくださいね。
あまり神経質になりすぎても美味しくいただけないのですが、このように洗っても残念ながらネオニコチノイド系農薬などの浸透する性質がある農薬は、可食部まで染み込んでしまうので落とすことができません。
お祝いや子どもへのご褒美にいちごをたくさん食べたい時などは、安心できるいちごを選ぶのをおすすめします。
安心できるいちごの選び方
子どもに安心して食べさせることのできるいちごの選び方を紹介します。
安心ないちごの選び方
1.有機JAS認定のいちご
2.有機農法に基づいて栽培されたいちご
3.化学農薬、化学肥料不使用の栽培方法にこだわったいちご(特別栽培農作物)
4.無農薬・無肥料の自然栽培の野菜
有機JAS認定のいちごは、国が認める有機栽培方法や栽培環境をクリアしたオーガニックで、化学農薬や化学肥料不使用の農作物です。
いちごを無農薬で栽培する難易度の高さからJAS認定のあるいちごは数少ないですが、安心を求める消費者もいるため有機JASを取得していちご栽培する農家もいます。
JAS認定のいちごは商品名に「有機いちご」、「オーガニックいちご」などと表記することができ、小さな子どもにも食べさせられる安心感があります。
JAS認定を受けるためには費用と手間がかかることや制限もあるので、あえて有機JASを取得せずに有機農法を行う農家もいます。
その場合は「有機」「オーガニック」と商品に表示はできませんが、有機栽培に準じた栽培方法なので、選ぶ価値があります。
栽培方法を確認できたり、生産者の方がみえるものだと安心です。
いちごは無農薬、さらに無肥料で栽培するのはとても難しいかつ手間もかかるので、自然栽培によって育てられたいちごはかなり貴重といえます。
市場で探すのはかなり難しいですが、ネットで販売するこだわりのある農家さんもいます。
食べチョクでおすすめする安心できるいちご
食べチョクとは、農家や漁師の方から直接を商品を届けてもらえるサービスで、こだわって生産された食材を探すことができます。
食べチョクの中でおすすめしたいのは、珍しい無農薬栽培方法されたいちごです。
さらに!!
無農薬で美味しいいちごを厳選するために、高設栽培(腰の高さほどある棚の上で作る)ではなく、苺の株を土に植えた昔ながらの土耕栽培でいちごを育てている生産者さんに限定しました。
体勢も低くなり手間ひまはかかりますが、土耕栽培は土の容量が多く養分をよく吸い甘いいちごになると言われています。
おすすめの生産者さん
「伊世いちご畑」さん
「いとう農園」さん
「Strawberry farm 木村農園」さん
「タナットネイチャーLab」さん
詳しくみていきましょう。
伊世いちご畑
福岡県宗像市にある『伊世いちご畑』さんは、約10年の歳月をかけて有機JAS認証を取得し、有機いちごを生産しています。
台湾や香港、シンガポールへJAPANブランドフルーツとして輸出を行うため、厳しい検疫をクリアする品質。
食べチョクで販売されているいちごも残留農薬検査も実施しており、シーズン中2回(12月、5月)、残留農薬未検出が確認されています。(2023年時点)
栽培するいちごは、好きないちごの品種ランキングでも上位の「あまおう」で、果汁が溜まってパンパンに膨らんだいちごは子どもも大満足間違いありません。
有機栽培で甘いいちごを食べたい方にぴったりです。
栽培方法 | 有機栽培(有機JAS認定取得済み) |
---|---|
いちごの品種 | あまおう |
生いちご | 280g×2P(3,240円),280g×4P(6,480円),【贈答用】280g×2P(5,400円) |
冷凍いちご | 1kg(3,230円),2kg(6,460円),3kg(9,690円),4kg(12,920円) |
\ 安全性においても人気で口コミも良い /
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いとう農園
『いとう農園』さんは熊本県 山鹿市に畑を構え、大分と福岡の県境に位置する土地柄、冬は氷点下になるので寒暖の差がありいちごが美味しく育つ環境があります。
脱サラしてハードルの高いいちごの有機栽培の世界に飛び込んだ生産者さんが、幾度の失敗を経て作り上げた有機JAS認定のいちごです。
こだわりの炭素循環農法で、まるで森林の中で採れたようないちごがハウスの中で収穫できると、福岡のRKB毎日放送で取り上げられました。
有機JASいちごを食べてみたい方、小さい子どもに与えるのに安心なものを探している方におすすめです。
栽培方法 | 有機栽培(有機JAS認定取得済み) |
---|---|
いちごの品種 | 恋みのり、ゆうべに |
生いちご | 250g×2P(2,500円),250g×8P(10,000円) |
冷凍いちご | 1kg(2,200円),2kg(4,200円),4kg(8,000円),6kg(12,000円),10kg(20,000円) |
\ 生いちごは毎回売り切れ必須のためお気に入り登録を! /
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Strawberry farm 木村農園
群馬県 藤岡市にある『Strawberry farm 木村農園』さんは、2022年食べチョクアワードを受賞しているいちご専業農家で、甘くてジューシーな果肉が自慢のやよいひめを栽培をしています。
群馬南部は日照率が極めて高いため光合成も十分にできることから、いちごが美味しくなるための環境が整っており、NHK645でも紹介されています。
農薬散布は2021年度3回、 2022年度は4回と慣行栽培に比べて相当少なく、(慣行栽培は50回以上)ネオニコチノイド系農薬も不使用で栽培されています。
栽培方法 | 減農薬栽培(2022年度は4回、ネオニコチノイド系農薬不使用) |
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いちごの品種 | やよいひめ |
生いちご | 320g×4P(3,600円),【大粒】320g×2P(2,800円),【ケーキに最適】320g×4P(3,400円),【小粒】320g×4P(3,000円) |
冷凍いちご | 1kg(2,000円),2kg(3,900円),4kg(7,600円),9kg(16,200円) |
\ 口コミ300件以上の人気いちご! /
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タナットネイチャーLab
兵庫県 淡路市にある『タナットネイチャーLab』さんのいちごは自然栽培で作られています。
新規事業として5年前に淡路島で始めたのが、無農薬・無肥料・無消毒の自然栽培での野菜づくり。「何もいれない本来の自然のまま」にこだわる農家さんです。
小さな虫がいれば米酢や食品用重曹を薄めたスプレーを葉や茎にかける、想像を絶する手間ひまがかけられたいちご、現在も改良中でたくさんの人に安心いちごを食べてもらいたい想いから値下げもされています。
栽培方法 | 自然栽培(無農薬・無肥料・無消毒) |
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いちごの品種 | 章姫、かおり野、紅ほっぺ |
生いちご | 約8~9個入り×2P(2,900円),約6~9個入り×4P(5,600円),B品×4P(3,600円) |
冷凍いちご | B品1kg(3,000円) |
\ 安心できる自然栽培の貴重ないちご! /
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まとめ <安心ないちごの選び方とおすすめのいちご>
化学農薬を使わずに手間ひまかけて育てても、ロス率は50%と言われるほど無農薬によるいちご栽培は厳しい世界ですが、安全ないちごにこだわり生産されている農家さんもいます。
子どもに安心して食べさせることができる選び方としては、「有機JAS認定のいちご」や、「無農薬や極めて少ない農薬散布」など栽培方法にこだわったいちごを選びましょう。
安心ないちごの購入先として、生産者さんの顔や栽培方法がみえる『食べチョク』をおすすめします。
栽培方法にこだわった美味しいいちごを生産するおすすめの農家もチェックしてみてくださいね。
おすすめの生産者さん
「伊世いちご畑」さん
「いとう農園」さん
「Strawberry farm 木村農園」さん
「タナットネイチャーLab」さん
日本の農薬事情や農薬の少ないとされる野菜・果物が気になる方はこちらの記事もご覧ください。